#1606 複雑系のモデルと展望【A dendrite】 [夜の部・佐々木氏の日常]
複雑系のモデルと展望【A dendrite】
2009年12月19日(土曜日)
凝結した雨が昨晩で200mmほど堆積しました。朝、窓から見て一番最初に思ったことは「これは今日は仕事休みだな・・・」という、密かな喜びと少しの罪悪感がコーヒ牛乳のコーヒとミルクの配分くらい絶妙に入り混じった感情だったと記憶しています。
すでにそのとき時計の針は8時を回っていて、溜息と共に勤労意欲が白く目に見える形で部屋の上方に向けて拡散していく様が感じ取れました。おもむろにケータイを手に取った僕はメモリからオフィスの電話番号を選び、ほぼ考えることもなく、まるで予定されていた行動だったように一日のスケジュールをキャンセルしたのです。
「熱が出た」といった以上少なくとも熱が出たように振舞う必要があるだろうと考えた僕は、そのまま柔らかい布団に包まれて白く肌触りの良い夢を見続けたのでした。羽毛布団の程好い重さを感じながらどれくらいの時間がたっただろう、異質な重さの塊を胸の辺りに感じた僕は息苦しさに色の付いた世界に戻り、ぼやけた視界の中胸の辺りに手をやると鋭い痛みと熱さで加速度的に現実に引き戻されたのです。
白と黒の柔らかい毛に覆われたその動物は、ビー玉のような目で悪びれる様子もなく僕を一瞥してすたすたとドアのほうへ歩いていきました。そのとき、僕は確かな主従関係を意識したのです。結婚以来感じていたまとわりつくような関係はこれに良く似たものだなと気づいたのも、今朝の冷たい空気とビー玉のような目の産物だったのでしょう。
ドラマチック♪
短編小説のプロローグのようでした。
by marimo (2009-12-20 07:36)